子育ての悩み

溶連菌(ようれんきん)にかかって家族全滅した話

稲葉紫麻@士業ワーママ
稲葉紫麻@士業ワーママ

忘れもしない、2020年4月。

家族全員がバタバタと高熱にかかりました。

コロナウイルスに感染したかも…と腹をくくりましたが、検査の結果、それは『A群溶血性連鎖球菌』でした。

「溶連菌(ようれんきん)」は、主に子供がかかる病気で、検査キットを使うとすぐ感染したか判明します。

ほっておくと臓器に影響を及ぼすおそれもあるちょっと怖い風邪らしく・・・。

今回は、家族全員が溶連菌に感染して全滅したことについて、書き留めておきます。

まず、溶連菌ってなんでしょうか・・・

溶連菌感染症。主症状は発熱咽頭痛で、その他、頭痛・腹痛・嘔気・鼻閉などを伴うことも少なくないが、咳や鼻汁などの気道症状には乏しい。

Wikipedia

Wikipediaさんによると、発熱と咽頭痛が主な症状のようですね。

第一の感染 夫の「なんだか喉がめちゃくちゃ痛い」

4月のはじめ、まだよくわかっていなかった新型コロナウイルスが流行りはじめ、どうやら味覚がおかしくなるらしいという情報が出回り始めました。

夫の会社の在宅勤務に切り替えが始まり、私は保育園の休園によって、育休を延長することになりました。

なんだか未知のウイルスが外で流行り始めたらしい。しかもマスクは品切れ。

赤ちゃん用品で常備していた手ピカジェルもないし、ガーゼもない。

なんだか社会の不穏な空気に、見えない不安を感じ始めたころでした。

会社に出勤があった日の翌日だったと思うのですが、夫がなんだか熱っぽいし、ものすごく喉が痛いと言い出しました。

やだなぁ、外で風邪をもらってきたんだね。

ちょっと嫌な予感もしたものの、次の日には、「今までで3本の指に入るくらい喉が痛い。声が出ない」と言い出したのです。

熱は38度。

かかりつけ医に相談をしたところ、防護服がなくなってしまったけれども、なんとかビニール袋で防護服を作るから診察するという言葉。

この言葉に本当に泣きました。

先生、コロナかもしれないのに(いや、確率から考えたらかなり低いけど)しかも手作りの防護服しかないのに、診てくれるって言ってるよ…

この時は溶連菌の検査はせず。

結局、ひどい風邪だろうとのことで自宅待機になりました。

(夫は喫煙者なので、この時は覚悟をして薬局で簡易的な酸素ボンベを買いました・・・)

第二の感染 私、発熱。大人が二人ともダウン。

次の日。

私が39度の熱を出してしまいました。

でも、喉の痛みがないのです。

全身に力が入らず、フラフラ。

思えば社会人になってからは、娘からうつったノロウイルスと、ラーメン屋で食べたもやしにあたって吐きまくった事件以外、インフルエンザにもかかったことがない私。

39度ってこんなにしんどいのか…という驚きと、まさかコロナにかかったんじゃ…子供たちは誰がみるんだ…という恐怖でいっぱいになります。

授乳のために息子を抱き上げようとしたのに、力が入らず抱っこできないのです。

大人二人がダウンしてしまうリスク、恐ろしすぎる!

ぜったいに入院せずに自宅で治す。

そう強く思ったのですが、その日は恐怖であまりよく眠れませんでした。

幸いにも、先に書いたお医者さんにもらった薬のおかげで、翌日には夫が、翌々日には私も37度に下がり、なんとか動けるようになりました。

味覚は大丈夫。熱も下がったし、呼吸も大丈夫。

でも、なぜか私は体(特に腕)に湿疹がでて、夜中に起きるくらいでした。

あと、恥ずかしい話ですが、大事なところがかゆい。

感染症じゃないといいな。

でも、今、病院に行くのは怖いな。

ゲンキンなもので、元気になったと思うと、不健康だったときのことを忘れたり、後回しにしたりします。

そう、まだ終わっていませんでした・・・。

第三の感染 娘、発熱。終わっていなかった家族内感染。

私の湿疹とかゆみはなかなか治らず、自粛で免疫が落ちているのだろうと思っていた矢先。

娘が38度の発熱をしました。

先生の直感により、溶連菌の検査をしたところ、陽性

おそらく夫→私→娘とうつったのだろうとのことでした。

(私のあわせて検査したのですが、この時にはもう陰性になってました)

よ、溶連菌!!!A群!!!

原因がわかってホッとしたり、うつしてしまったことに罪悪感を感じたり・・・。

投薬後24時間を経過して熱も下がったため、娘からうつる危険はなくなりました。

(余談ですけど、大人はグッタリしていたのに、娘は38度にもかかわらす、元気いっぱい走り回っていました。子供の体力ってすごい…)

第四の感染 息子、発熱。家族全員かかってしまった。

5月になって、息子が38度の発熱をしました。

ちょうどかかりつけがお休みだったので、往診のお医者様に来ていただきました。

(発熱していても診てくれるとのことで、感謝でした)

来てくださったお医者様、あきらかにビビっていました。

そうですよね…新型コロナウイルスで感染者も増えている中、発熱している赤ちゃんを診てくれるんですもん…。申し訳ない気持ちでいっぱいでした。

せめてもの思いで、窓とドア全開、大人はソーシャルディスタンス(狭い家なのでできる限り)とっていました。(お医者さんありがとう)

座薬と当日分の薬をもらい(応急処置のため1日分しか薬はでない)、次の日にこれまた四度目のかかりつけのお医者様へ。

先生、即座に溶連菌のテストをしてくれました。

結果、陽性

私も婦人科でチェックをしたところ、体内からA群溶血性連鎖球菌が出ました。

私の勝手な仮説ですが、

  • (喉のテストでは陰性だけど)私の体内にまだ溶連菌が残っていた→私から息子にうつった?
  • 1か月経ってもうつることがある
  • お風呂(湯舟)で感染したのではないか
  • 溶連菌はきちんと投薬をしないといけないようだ

ということが考えられます。

まとめ 今回の経験

大人がダウンすると子供の面倒を見る人がいなくなってしまうので、どんな病気でもそれが一番怖いなと思いました。

振り返ると、治療薬も治療方針も確立されている、風邪かもしれません。

でも、大人がフラフラで抱っこもできない、ものすごい恐怖です。

家族内感染を完全に防げたらいいのですが、できない場合は、感染のピークをずらすこと、新型コロナウイルスで医療機関を圧迫しないように、感染の順番をずらそうとしていましたが、同じことを家庭内でもやるしかないなと思いました。

それと同時に…。

おかしいなと思ったら、必ず、必ず通院をすること…

特に自分のことは後回しにしがちな大人!お母さん!

自分の体調の悪さをほっといたらあとがしんどくなる。

私はこの体験(大人が全員体調悪いこと)が本当に恐怖でした。

新型コロナウイルスの予防として、「うつさない・うつらない」ために、親族や友人と会わないような対策をとっている家庭が多いと思います。

時にその考えや方針に異を唱える人もでてくると思います。

それらの方々に言いたいのは、「じゃあ貴方は子供を責任もって全部面倒みることできるの?」ということです。

寂しい気持ちも孤独な気持ちも感じることがあるかもしれませんが、こどもにうつさないという考えを特に大人が思っていないと、ちょっとくらい大丈夫だろうと子供に近づいたり、話しかけたり、ときに触ろうとしたり、考えなしの行動をとりがちです。

「自分は元気だ」と自分で思っているだけです。

子供が病気になったら、看病をするのも責任をとるのも、その親だけなのですから、お願いだから今は理解してよと思います。

溶連菌に家族全員感染して、大人がダウンする怖さを強く感じた経験でした。